「&Mt.Fuji」に込めた想い
はじめに
2017年に富士河口湖町へ移住して以来、西村は富士山暮らし応援隊のメンバーとして、この町の暮らしや移住に関わる活動を続けてきました。
今回、新たな標語として掲げられた「&Mt.Fuji」。
そのロゴデザインを任せていただくことになったのは、外部のデザイナーとしてではなく、この町で暮らしてきた一人の当事者としての立場からでした。
「&Mt.Fuji」が示すもの
「&(アンド)」は、何かを主役にし、何かを従える言葉ではありません。
- 富士河口湖町 & あなた
- 暮らし & 仕事
- 日常 & 富士山
どれも対等で、どれも並列。
移住とは、環境を“変える”ことではなく、関係をつなぎ直すことだと考えています。その思想を、短く、覚えやすく、でも余白のある言葉として表現したのが「&Mt.Fuji」でした。

ロゴ制作の軸にした3つの視点
今回のロゴは、以下の3つを同時に満たすことを目標に設計しました。
1. 富士河口湖町とあなたをつなぐ「特別なパスポート」
このロゴは、単なるビジュアルマークではなく、町と関わるための入り口であってほしい。
移住、定住、関係人口、二拠点。
関わり方に正解はなく、それぞれが自分のタイミングでこの町と接点を持てる。
そんなパスポートのような機能をロゴに持たせたいと考えました。
2. 地図のピン=「あなたの居場所」
ロゴマークの中には、地図のピン(マップピン)を組み込んでいます。これは、
- 住む場所
- 働く場所
- 心の拠り所
といった、一人ひとり異なる「居場所」を示す記号です。
移住はゴールではなく、居場所を見つけていくプロセス。
その前提を、視覚的に表現しました。
3. カラフルな配色が示す「多様な暮らし」
ロゴに使われている色は、単なる装飾ではありません。
- 富士山の裾野
- 湖と水辺
- 森や畑
- そして人の営み
富士河口湖町の自然と暮らしのレイヤーを、色として重ねています。
単色にしなかったのは、この町の暮らしが決して一色ではないから。
十人十色の生き方が同じ場所に共存している。
その多様性そのものをカラフルな配色で表現しています。
「&」という記号に込められた意味
ロゴの中心にある「&」は、単なる文字ではありません。
- 「つなぐ」という行為
- 「並べる」という思想
- 「間(あいだ)」を許容する余白
その内部に地図のピンを立てることで、「あなたの居場所は、ここにある」というメッセージを込められています。
当事者だからこそできたデザイン
このロゴは、机上で考えたものではありません。
- 移住した直後の不安
- 知り合いが増えていく感覚
- 富士山が観光地”から日常の風景に変わった瞬間
そうした実体験の積み重ねが、デザインの背景にあります。
外から来たからこそ見えたこと。
中に入ったからこそ分かったこと。
その両方が、このロゴの土台です。
Project Stories として残した理由
このロゴ制作は売上や数字で測れる成果ではありません。
が、思想を共有するための制作としてProject Stories に残す価値があると考えました。
制作とは、目に見えるアウトプットだけではなく、関係性をつくることでもある。
「&Mt.Fuji」はそのことを静かに示すロゴです。
おわりに
このロゴは完成形というよりもこれから関係が増えていくための余白だと思っています。
富士河口湖町とまだ見ぬ誰かの人生がこれからも「&」でつながっていくことを願って。
