
西湖の空き家から始まったブルワリー
AIM Brew LAB.の始まりは、ひとつの偶然の出会いでした。
2021年、WEBサイト制作や予約システムの開発でお付き合いのある西湖の「自由キャンプ場」さんが、本社目の前の空き家で草刈りをしているところに遭遇し、敷地の奥にある建物を見せてもらいました。


屋根は崩れ、長い間空き家になっていた建物。薪の乾燥用に使うくらいで、ほとんど放置された状態でした。
「もし何かに使うなら安く貸しますよ。」
そんな一言がきっかけで、この場所にブルワリーを作るという構想が生まれました。
西湖の森に囲まれた静かな場所。ここでビールを造れたらきっと面白い場所になる。
そう思ったのがすべての始まりです。
2022|補助金への挑戦
ブルワリーを作るには当然ながら大きな資金が必要です。
事業再構築補助金に挑戦しました。
第5回公募。結果は不採択。
第6回公募。また不採択。
正直かなり落ち込みました。。。
もう諦めるしかないのかもしれない。
そう思い始めていた頃、都留信用組合の担当の方に相談しました。
そこでいただいたアドバイスは、「醸造技術の研修を受けたりOEMでテストマーケティングを積み重ねれば融資の可能性もゼロではないと思います。」
そこで、当時広島県呉市にあったIB Brewingさんの全面協力を得て
- 醸造技術の研修
- OEMによるビール製造
- テストマーケティング
を進めました。
第7回公募は見送り準備を整えて第8回公募へ。
テストマーケティングの実績なども盛り込み3度目の挑戦でついに採択。泣きました^^;
ブルワリー計画がようやく現実として動き始めました。
2023|空き家の再生

2023年9月。
ブルワリーとなる建物の解体工事が始まりました。
ただし、すべて壊すのではなく柱や梁を残した再生工事です。
屋根を外し、壁を外し、最終的には骨組みだけの状態に。
そこから新しい構造材を加えながらブルワリーとしての建物を作っていきました。
解体工事、建築施工、電気工事。
これらはすべてこれまでWEB制作の仕事を通じてお付き合いのあった会社さんにお願いしました。
普段はWEBの仕事で関わっている人たちとブルワリーというプロジェクトを一緒に進めていくことになりました。
















2024|設備搬入と想定外の壁

建物の工事は比較的順調に進みましたが、次に待っていたのが醸造設備の搬入でした。
海外から輸入した醸造設備の通関に、想像以上の時間がかかりました。ようやく届く目処が立ったと思えば、今度は電気工事でもやや手こずることに。ブルワリーは一般的な店舗とは違い、必要な設備や電力の条件も特殊で、思っていた以上に簡単には進みませんでした。
ようやく設備搬入の日を迎えたものの、タンクや機材はとても重く、少人数でどうにかなるものではありません。
そこで力を貸してくれたのが、Nature LAB.のROBROYをはじめ、西湖周辺のガイドの皆さんでした。
普段は湖や自然のフィールドで活躍している仲間たちが、この日はブルワリーづくりのために集まってくれました。たくさんの人の手でタンクを運び、設備を搬入し、少しずつ醸造所の形が整っていく光景は、今振り返っても印象に残っています。
ブルワリーというと、つくり手が黙々と準備を進めるイメージがあるかもしれません。でもAIM Brew LAB.は、本当に多くの人に助けてもらいながら生まれたブルワリーでした。

製造免許交付と初仕込み

2024年6月。ついに製造免許が交付されました。
そして初仕込み。
ここまで来るまでに長い時間がかかりましたが、いざその日になると、喜びよりも不安の方が大きかったのを覚えています。
ちゃんとビールになるだろうか。
ちゃんと美味しく仕上がるだろうか。
頭の中には、そんな思いがずっとありました。
設備も建物も整い、ようやくスタートラインに立ったはずなのに、本当にここから始められるのかという緊張がありました。
それでも目の前の工程をひとつずつ進めながら、ようやくAIM Brew LAB.としての最初の一歩を踏み出しました。


ファーストバッチ完成と
タップルームオープン

初仕込みから数週間。無事に発酵を終え、最初のビールが完成しました。
味を確認した瞬間、ようやく少し安心しました。ちゃんと美味しいビールになってくれていたからです。
不安しかなかった初仕込みから、実際にビールとして形になったときの安堵感は今でも忘れられません。
そして、ファーストバッチが完成した2024年6月29日、タップルームもオープンしました。
ただビールを造るだけでなく、その場で飲んでもらえる場所をつくりたい。西湖の静かな景色の中で、ビールとコーヒーを楽しめる場所にしたい。そんな思いを込めて、AIM Brew LAB.のタップルームがスタートしました。
シャッターアート

タップルームの象徴となっているシャッターアートもこの頃完成しました。
実は…もうこの頃立ち上げ費用がかさみすぎ資金的に厳しく、諦めかけていたんですが…
西村の母がどうしてもということでプレゼントしてくれてシャッターアートは完成しました。
この場所を訪れた人の記憶に残るものにしたいという気持ちもあり、いまではタップルームの顔のような存在になっています。

地域に開かれた場所へ

オープン後はありがたいことに、新聞や各種メディアでも取り上げていただきました。
西湖という地域の中で新しく始まった小さなブルワリーとして、多くの方に関心を持っていただけたことは大きな励みになりました。
タップルームには、地元の方、観光で訪れた方、仕事でつながってきた方々、さまざまな人が立ち寄ってくれるようになりました。
AIM Brew LAB.は、単にビールを製造する場所ではなく、人が集まり、会話が生まれ、地域との接点が広がっていく場所でもありたいと考えています。



西湖から
これからも
AIM Brew LAB.は、まだ始まったばかりの小さなブルワリーです。
偶然の出会いから始まり、補助金への挑戦、空き家の再生、設備搬入、初仕込み、タップルームのオープンまで、本当に多くの人に支えてもらいながらここまで来ることができました。
西湖という静かな場所だからこそ生まれる空気があります。ここでしかつくれない時間や景色があります。
これからもAIM Brew LAB.は、この場所でビールを造り続けていきます。
そして西湖を訪れたときに、ふと思い出して立ち寄ってもらえるような場所になれたらうれしいです。