この写真は私にとって少し特別な一枚です。
別件で、ノートパソコンのプロモーション映像を撮影するために富士山と湖を背景にPCを操作するシーンを撮ろうと西湖の根場浜を訪れました。
朝の空気は澄んでいて、湖面は静か。
「今日はいい絵が撮れそうだな」
そんなことを考えながらカメラを構えていたその時です。

湖畔の向こうで、ひと組のカップルが立ち止まり、突然男性が片膝をつきました。
プロポーズでした。
しかも、成功した直後。
喜びと驚きが入り混じった空気がその場にふわっと広がっていました。
少し迷いましたが「記念に一枚、撮りますか?」と声をかけてみると二人はとても喜んでくれて「再現するからぜひお願い!」と言ってくれましたw
富士山を背に、西湖の湖畔で、偶然居合わせた第三者である私が、その瞬間を切り取らせてもらえたことがただただ嬉しかった。
偶然が絵になる場所
観光地では予定された感動が用意されていることも多いけれど西湖は少し違います。人が少なく、音も控えめで「何も起きない時間」が流れているからこそこんな偶然が自然に溶け込む。
この日もたまたま撮影に来て、たまたまプロポーズに出会い、たまたまカメラを持っていた。
でも、その“たまたま”が重なった結果、一生残る写真が生まれました。
写真の外側にあるもの
この写真を見るたびに思います。西湖は、何かを見せつける場所ではなく人生の節目をそっと受け止めてくれる場所なんだなぁと。
派手な演出はないけれど富士山と湖と樹海がそこにある。
だからこそ人は安心して大事な言葉を口にできるのかもしれません。
この日、撮影させてくれたお二人が、これからも何度かこの写真を見返してくれたらいいな。
そして、「西湖で撮ったんだよ」と、誰かに話してくれたら。
そんなことを思いながらシャッターを切りました。